Hoiku

第三者評価システム: 米NAEYCの保育の評価基準について

アメリカでは公的保育がほとんど存在しません。最低限の規制があるものの、免許を取ればどんな個人でも業者でも保育事業を提供できます。公的援助は経済支援(日本でいうとクーポンのようなしくみ)にほぼ限定されます。

そんななかで保育の質を担保するしくみとして、National Association for the Education of Young Children(NAEYC) http://www.naeyc.org/ が提供している第三者評価システムがあります。厳密にはAccreditation(認証)制度で。ただ、NAEYCという第三者が保育の質を評価する、という点においては、事実上の評価システム(Evaluation)といえます。1985年にできた制度です。

以前、メールでやり取りをしたNAEYCの担当者は、「評価制度は各国の事情にあわせて、独自につくりあげるのが理想」と強調。「アメリカの制度がそのまま日本にあてはまることはない」とおっしゃっていたことが印象に残ります。NAEYCの制度は、現場の保育・教育従事者、自治体、学者など多種多様な専門家を大勢、動因して制度を策定し、さらに定期的に改定しています。

NAEYCの評価基準はたしかに、日本にそのまま適用できません。しかし、日本に同様な制度がないなかで、参考にはなると思い、5年前に翻訳会社に依頼し、NAEYCの許可を得て翻訳しました。その後出産や留学で忙しくなり、そのまま放置していました。

娘が現在、通っている保育園はNAEYCの制度で認定された保育園です。その認定の大変さと、それによるメリットも肌で感じました。

NAEYC基準の翻訳は完全ではありません。改訳をしたいところです。ただ、私の手元でいつまでも眠らせておくわけにはいきませんので、とりあえずブログ上に後ほどアップします。

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待機児童解消に成功した、米軍の保育所大改革(2007.12.02執筆)

娘が保育園に入園して間もないころに、地元の自治体が保育園を民営化する計画を発表しました。ある日を境に、保育園の先生が一斉に他の園に転属となり、委託業者の職員に入れ替わるという、何とも乱暴な計画でした。

保育園の民営化問題に直面したのをきっかけに、保育の質向上に向けてのしくみづくりに興味を持つようになりました。調べていくうちに、アメリカ軍が実施した保育制度の大改革に行き着きました。アメリカ軍の事例には待機児童解消のヒントがいろいろ盛り込まれていると考え、保護者向けにコラムを書きました。以下、4年前に書いたコラムです。

Originally written in December, 2007

待機児童解消策:海外の成功事例
米軍の保育所大改革 質を向上しながら保育の絶対量を大幅拡大

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