08 Tips & Info

有事のストレスマネジメント方法(日本語版)

地震のような極限体験は、心身ともに多大なストレスを伴います。ストレスをマネージするのに有効な方法を、ドラッカースクールでセルフマネージメントの講義を教えているハンター先生が英語で紹介してくれました。その日本語版を

1)トラウマのメカニズム

人間の脳神経系統がトラウマをどう処理するかを理解し、その理解の上で対処法を考えることが大切です。地震のような強烈な実体験をすると、(生存本能などをつかさどる)脳の「サバイバルセンター」が、厳戒態勢に入ります。その厳戒態勢がいつまでもつづき、平常に戻らなくなってしまったときに問題が起きるのです。

2)平常心が取り戻せない時の症状

脳が平常に戻らなくなってしまった時、次のような症状が発生します:

  • 身体に力が入っている状態(例えば、歯をくいしばっている、肩など大きな筋肉がこわばり凝り固まっている)
  • いらいら、気が短くなり怒りっぽくなる
  • 眠れない
  • 圧倒されてしまい、途方に暮れる感じ
  • 食欲不振
  • 頭痛
  • ちょっとしたことに恐怖を感じたり、パニックしたり、不安になったりする
  • 平常感が乱れ、不安定な感じ
  • 「自分が自分じゃない」感じ
  • たえず心配している
  • 落ち込み
  • ひきこもり
  • 動きがとれない、効果的な活動ができない
  • 身体に痛みがある

3)3つの対処法

神経系統を普通の状態に戻すために実践できる、簡単な方法を紹介します。

#1 最も簡単な方法

ゆっくり、長く、深く鼻で呼吸する。神経系統の「落ち着き」反応を刺激する効果があります。

#2 グラウンディング法[Groundingとは「地に足をつける」、「大地につながる」というイメージです]

1. 座ったり、寝転んだり、自分にとって楽な姿勢をとります。

2. 身体がいす、床、ベッドなどに触れている所、つまり支えられている部位に、気を向けます。特別なことを考えるのではなく、身体が支えられているところに注意を払います。

3. 身体が「支えられている」という感覚を意識し続けながら、体内で何が起きているかを気にします。大半の方は、気持ちが落ち着いてくる感覚を伴うと思われますが、しびれやあたたかさ、ぷくぷくした感覚、感情が解放され、気が抜けた感覚、場合によっては身震いを感じることも。このような感覚は、神経が平衡感覚を取り戻しつつあることを示し、いいことなのです。

4. もし圧倒されてどうにもならない気持ちなりかけたら、目をあけて部屋を見渡してください。目の前に見える具体的なモノに焦点をあわせます。ゆっくりと深く呼吸します。

5. 必要に応じて、何度でも繰り返します。

#3 イメージ法

イメージ法を使って、神経系統の落ちつきのメカニズムを刺激する方法があります。その簡単な方法として、気分が落ち着くお気に入りの音楽を想像します。ベートーベンの「第九」でも何でもかまいません。

1. この音楽をコンサートホールで聞いているのを想像します。

2. 聞きながら身体の中で落ち着いている箇所に気を振り向けます。

3. 何が変化したか気づくようにします。グラウンディング法の3)にもあった、何かが抜けていく感覚に気づくかもしれません。

ぜひ、これらを試してみて他の方にもご紹介ください。

みなさまが無事でお元気に過ごされていることを祈念しつつ。

Jeremy Hunterより。

コメントを残す